伊藤彬彦[androp]さん、メイン・スネアType-Rを語る!

androp 伊藤彬彦

CANOPUS Drums初の“ロックに特化”したドラム=Type-R。その第一弾となるウッド・スネア・ドラムは、2017年、カノウプスが提案するロック・サウンドを具現化したもので、現在、世界的な大反響・大好評をいただいております。今回は、そのType-Rスネアを開発の段階からご愛用いただいているandropのドラマー、伊藤彬彦さんに、その魅力をうかがいました。さまざまな音楽のエッセンスを昇華しつつ、歌のリアルな世界観とスケールの大きな演奏とが見事に融合、日本のロック・バンドの中でも一際強力な輝きを放つバンドandropの音楽にType-Rのスネア・サウンドあり! 想像しただけでワクワクしますね!

androp 伊藤彬彦

Type-Rとの出会い
最初カノウプスの方から、まだ開発の段階のときに「今、ロックに特化したというか、そういうキャラクターのスネアを作っているので、もしできたら使ってみて、感想を聞かせてほしい」っていうふうに伺って。で、僕も「10テンションのスネアを使いたい」って話をしていて、ちょうどいいタイミングだったんですね。それからスタジオで叩いたり、ライヴでも使わせてもらってました。

Type-R MTR-1455-DH-BN Gun Metallic▲伊藤さん愛用のType-R。14”×5.5”/ダイキャスト・フープ仕様 MTR-1455-DH Gun Metallic

唯一(?)のリクエスト
最終的にそれほど関与していないって自分では思っているんですけど、しいて挙げればデザインの部分でしょうか。シェルに大きく入った“R”について「これは結構極端なデザインだと思いますよ」って話はさせてもらったんです。個人的には、あんまり目立ち過ぎてしまうのはどうかな……と。でもそこはカノウプスの新製品として強く押し出したいってことだったので、どうしても(シェルに大きくType-Rの文字を)つけたいっていう意見もある中で、結局最終的には(文字が)剥がせるようになったんです。そこまで漕ぎつけたのは、僕の意見も少し反映されたのかなと思います(笑)。シェルのスペックだとか、音に関するようなことでいうと、たぶん僕はそれほど関わってないのかなと思います。
YAIBAⅡメイプルからType-Rへ
Type-Rの前は、ヤイバ(刃 YAIBAⅡ)のメイプル14”×5.5”を使ってました。その前はヴィンテージのラディック400を使うことが多かったんですけど、やっぱりツアーが多くなってくると、どうしてもパーツが手に入らなかったり、ちょっと何かあったときの対応が難しくなってきてしまうので、できればサポートを受けやすいカノウプスのものをライヴで使いたいってことで、いろいろ試させてもらって。メタル・シェルじゃなくて、ウッド(スネア)で良いものがないか探してたんです。ヤイバは“値段は安いけど良いものを作りたい”っていうコンセプトで、僕もやっぱりライヴを観に来てくれるお客さんが使えるようなものをと思っていて、そういう意味で“合った”んですね。でも叩いてみたら、値段は全然関係なく、ホントに良い音だったんです。

そこから気持ちパワー感が欲しいのと、タイト感は失いたくないし、チューニングの安定感も欲しかった……ライヴで長時間叩いていると(ピッチが)落ちてきちゃうので、いろんな意味での安定感ですね。それには10テンションなんじゃないかと思っているときにType-Rの話があったという経緯ですね。

扱いやすいスネア
僕が使っているのは14”×5.5”のダイキャスト・フープ仕様ですが、(打面)ヘッドをカノウプス/レモのコーテッドHAZYに、スナッピー(スネア・ワイヤー)をバックビートの30本に替えています。黒いヘッド(標準装備のコーテッド・ブラックby ASPR)は、僕的にはちょっと、まとまり過ぎてしまう感じがしたんです。あとボトム・ヘッドのスナッピーによるミュート感がもうちょっと欲しいんだけど、42本だとやり過ぎちゃうので、30本にしたっていう感じです。

思った通り、10テンションなのでチューニングは安定してますよ。たぶんチューニングって、人によっていろんなルールがあると思うんですが、僕のルールで言うと、チューニングが速くできる感覚があるんです。あとは、タイトにまとまってくれるんだけど、太さもちゃんとあるところもすごく気に入ってます。

ロックに特化しているということで、ヌケも凄いんですけど、僕的にはすごく“扱いやすいスネア”なんですね。

オススメできない人はいない!
カノウプスのスネアってものすごく鳴るんだけど、例えば8テンションのスネアだと、その鳴り、振動によって、結構いろんなところが緩みやすいっていうイメージがあるんです。ヴィンテージのスネアなんかもそうですよね。そのぶん中低域が豊富だとか、音の面で見たら良い方につながっているんだろうけど、そういうすべての面で(10テンションの)Type-Rは安定しているスネアだと思っています。ライヴで、例えばワンマンの長時間のときなんかも良いですよ。

僕の感覚なんですけど、チューニングするときに倍音の数を減らしたいというか、鳴っている倍音はココとココみたいにすべてを把握しつつ、何かわからないけど、たくさん鳴ってるみたいな状態を無くしたときに、“僕的に気持ちいい音がどうか”がポイントなんですけど、Type-Rはそれがやりやすいんです。“決めなきゃいけないときに、スッと決まってくれる”……そういう良さがありますね。だから対バンがいるイベントとかで、音作りに速さが求められる場合でもすごく使いやすいです。値段的にも若い人が手を出しやすいと思いますので、逆にオススメできない方はあまりいないですね(笑)。ロックも多様化してますから、ジャズの人だって使えると思いますよ。ただ、カノウプスが今までやってきた方向ではないことは確かですね。カノウプスに対するイメージがすでにある人も叩いてみたら面白いと思います。

andropの音楽、伊藤さんのドラミングと同様に、カノウプスType-Rのスネア・サウンドをぜひライヴなどでチェックしてください!