河村“カースケ”智康さんとBack Beat Snare Wire 42

河村カースケ智康

日本の音楽シーンを代表するトップ・ドラマー、河村“カースケ”智康さん。ライヴで、レコーディングで、数々のヒット曲と共に刻まれるその“シグネチャー・サウンド”の中心にあるのは、あの抜群にヌケるスネア・サウンドだと思います。
カースケさんのスネア・サウンドの秘密は、もちろんそのショット、チューニングなどなど、さまざまな要素が合わさってのことですが、スネア・ドラム楽器本体と、さらに突き詰めれば、愛用のスナッピー=スネア・ワイヤーにあると言っても過言ではないかもしれません。
カースケさんが愛用するのは、カノウプスのバックビート・スネア・ワイヤー42(Back Beat Snare Wire 42)です。そのサウンドの秘密、魅力など、カースケさんに語っていただきました!
河村カースケ智康

「たぶん俺が言い出しっぺで、作ってもらったんだ。それまではグレッチの42本のスナッピーを使ってたりしてたんだけど、カノウプスに“42本出そうよ!”って。42本って、決してポピュラーなものではないと思うんだけど、こんなにいいのに、何でカノウプスにないの?っていう感じ」

── 10年以上前から ──

「遡って話をすると、自分のショットとか、チューニングのクセがあって、あるとき、“カン!”ていったときに“ポン”って鳴る倍音が嫌になってきたんだよ。倍音に対して、下の“ザン”っていうのが、すごく足りない感じがしたんだよね。“ポン”っていう方が大き過ぎちゃって。で、そういえばジョン・ボーナムもエルヴィン・ジョーンズも42本を使ってたんだよなって思って、グレッチの42本を張ってみたら、“ポン”っていうのがすっと消えたんだよ。もうコレだって思って。あの幅でうまくミュートされて、うまい具合に“ザン”が出てくる、そのバランスが自分に合ったんだよ。それ以来、普通の20本くらいのスナッピーが嫌になっちゃって(笑)。もう一生着けるのやめようって(笑)。それはいつ頃? もう10年以上前かな」

── プレイが楽になる ──

「残響というか、余韻が、あれだけスナッピーの本数があると、安心できるんだよ。プレイがちょっと楽になる。自分のクセとの相性なんだろうけど、俺は細かいことがあんまり上手じゃないから、スナッピーの幅が狭いと、コントロールがすごくミニマムで頼りない感じになっちゃうんだ。だから幅を広くすることによって、タッチが大らかになるというか、あんまりシビアじゃなくなるっているか、ちょっと触っただけでも“ザン”っていってくれる。だから、あんまり気を遣わなくて済むんだよ。細かいところをカヴァーしてくれる。そういうところも自分には合ってるって感じ」

── スナッピーとドラムのバランス ──

「俺のチューニングとショットで、スナッピーの音に、ドラム自体の音が勝っちゃうっていう意識があって、スナッピーの音が、すごくバランス的に小さい感じがしちゃうのが嫌なんだよ。それがあのスナッピーがあることで、“いいバランス”になるんだよね。そこが一番自分にはいいんだよ」

── 6.5”には絶対42本! ──

「俺のシグネチャー・スネア(SIG-1350-NK1/2012年〜期間限定で発売。現在は生産終了)は13”(×5”)だから、30本のスナッピーがついてる。14”で30本(Back Beat Snare Wire 30)も使ってるけど、でも(深さ)6.5”は、絶対に42本だね。もう100%そう。これは必ず」

河村"カースケ智康"シグネチャースネア SIG-1350-NK1河村”カースケ智康”シグネチャースネア SIG-1350-NK1

── ヘッドが張ってあるのと同じ ──

「俺の場合、例えばスネア・ドラムを買うでしょ? そうしたら必ず、42本のスナッピーも買うんだよ。普通に一緒に買う」

「もうヘッドが張ってあるのと同じように、あの幅広いスナッピーがなきゃ嫌みたいな。そんな感じ。それくらい必至アイテムで、普通のものっていう」

── スナッピーの張りはルーズに ──

「俺は他のドラムの人と比べると、スナッピーの張りはルーズみたい。だいたいみんな、他の人はスナッピーがすごくタイトなんだよね。俺はやっぱり“ザン”っていうルーズなところがないとダメというか、自分はそういう耳なんだなって。俺はスナッピーの残響が欲しいんだよ。スネアを叩いたときと、キックを踏んだときに、そのイメージがあるんだよね。でも他のドラマーとはだいぶ違うんだよなぁ(笑)。それはいつも思う」

「とにかくカノウプスの42本は自分にすごくフィットしたんだよ。もうこれっきゃねえや!って感じ。これがなかったら俺はダメかな(笑)」

バックビートスネアワイヤー42バックビート・スネア・ワイヤー42

カースケさんサウンドに、カノウプスのバックビート・スネア・ワイヤー42あり!ですね。みなさんもぜひ、手に取ってご自分のスネア・ドラムで試してみてください!