三浦晃嗣
すでに大きな反響をいただいているネオ・ヴィンテージ・シリーズの新しいスネア・ドラムNV60-M5。カノウプス・エンドーサーであり、リズム&ドラム・マガジン誌での長年に渡る執筆活動でもお馴染み、ドラマーとして、日本の音楽シーンに多大なる影響を与え続けるご意見番、三浦晃嗣さんに早速試奏していただきました。音楽の歴史を知り、ドラミングの歴史から進化を体現し、楽器の本質に精通する三浦さんにどう響いたのでしょうか? 執筆いただいた試奏レポートを紹介します。
NV60-M5を初めてプレイしたのは昨年(2016年)の9月に大阪で行われたドラム・イベントでのことでしたが、そのときはまだプロトタイプで、カバリングも現在の仕様とは少し異なっていました。私はスネアを試奏するときは、プレイする前にシェルの材質や構成、エッジの形状などを観察し、おおよその見当をつけてからプレイするのですが、まずはグレイ・インテリアとレインフォースメント、そしてインナー・マフラーには思わずニヤリとさせられましたね。開発者はこれについては“遊び”と言っているようですが、私にとっては単なる“遊び”ではなく、ある意味ではメッセージ性のある“粋な遊び”だったわけです(これは本当にわかる人にしかわからないと思いますが)。で、そのサウンドは私が想像した通り、まろやかで温かみのある“あの頃の音”だったわけです。
それから3ヵ月ほど経ち、今度は製品として完成したNV60-M5を試奏したわけですが、カバリングは変更されていたもののサウンドの印象は変わらず、プロトタイプの時点ですでにNV60-M5というスネアが完成の域に達していたことを思い知らされましたね。ネオ・ヴィンテージ・シリーズは『時代を彩った往年の名器のサウンドを現在に蘇らせる』というコンセプトのもとに開発されているシリーズですが、その最新作であるNV60-M5は「ほう! 今度はそうきたか!」と驚かされる(というか、喜ばされる)ばかりでした。私は60年代のR&Bのドラマーたちから大きな影響を受けましたが、あの頃の“パワーとトーン”に再び出会えた気持ちでいっぱいです。若いドラマーたちにはNV60-M5のふくよかさと温かみを体感して欲しいですね!
三浦晃嗣さんが影響を受けた“あの頃”のパワーとトーン! ぜひお試しください!