ネオヴィンテージ NV60-M5 スネアドラム
ついに発表!オーダー開始となったNV60-M5、カノウプスのネオ・ヴィンテージに加わった6台目となるスネア・ドラムです。先に本コラムで紹介した、カノウプス代表、碓田信一の話にもあるように、そのきっかけとなったのは、自身のソロ・プロジェクトや、日本では小曽根真[p]さんとの共演でも知られる世界的ジャズ・ドラマー、クラレンス・ペン(Clarence Penn)がこよなく愛するヴィンテージ・スネア・ドラムのサウンドの再現からです。NV60-M5のキャッチ・コピーにある“パワー&トーン”から、もうどのスネア・ドラムなのか、おわかりになる方もいらっしゃいますね?
1960年代を代表する名器の1つである“そのスネア・ドラム”は、Booker T. & The MG’sのアル・ジャクソン(Al Jackson Jr.)が、往年のSTAXのレコーディングなどで使用したことは、あまりにも有名です。まさに当時のR&B、ソウルから、ファンク、ロック、ジャズまで、その個性溢れるスネア・サウンドが彩ってきたわけですね。
前置きはこのくらいにして、NV60-M5の特徴を、カノウプスの開発担当者に、その研究〜製作秘話を交えて語ってもらおう。


── 工夫した点、苦労した点は? ──

「響きを似せていくための材選びですね。苦労したというか、常に“?”が出ながら進んでいったものなんです。本家はアメリカン・メイプル(オール・メイプル)を使っているんですが、ヴィンテージ特有の経年変化(=枯れ)で“鬆(す)”(繊維同士の隙間)が入っているんでしょうね。なので、アメリカン・メイプル、もしくはニューイングランド・メイプルを使うと、ちょっと硬質な音になってしまって、輪郭のハッキリした感じの、良い意味でのチープさというか、“ポコン”としたところが出なかったんですね。それでソフト・メイプルを試したり、結果として“ヨーロピアン・メイプル”のサウンドに辿り着いたんです」
「キモになるのは、レインフォースメントとシェル本体のバランスです。同型というんでしょうか、5プライの厚みに、(レインフォースメントの厚さも)同じものがついているんですね。さらに(上下レインフォースメントの)内側が斜めに切り込まれている。これでシェルの中での音の留まり感、気流の留まりで、音の塊感が決まってくるんです」

ネオヴィンテージ NV60-M5 スネアドラム フラットグレイインテリア

── 特徴的なエッジ・シェイプ ──

「内角は、いわゆる45度です。でもベアリング・エッジの、トップから外側にかけて、ヘッドに触っている部分が特徴的なんですね。“え? これでこんなに柔らかい音が出るの?”っていうくらい、鋭角なエッジ・シェイプなんです。もちろん、そこから、さらにカノウプスならではのアレンジを加えています。ちなみにシェル内側のグレー塗装は遊びです(笑)。これが一番わかりやすいんじゃないでしょうか」

ネオヴィンテージ NV60-M5 スネアドラム インナーマフラー

── 内蔵ミュートも必須アイテム ──

「開発段階で“もう少し鳴らなくしたい”という(クラレンスからの)リクエストもあったりしたんです。実はシェルの中に内蔵ミュートという“障害物”を置くだけで、ちょっとした音のツマりが出るんですね。だから機能的に使っても使わなくても、このスネアのサウンド・メイクには必須アイテムでもあったんです」

ネオヴィンテージ NV60-M5 スネアドラム

── ボルトタイト装着 ──

「一応、ボルトタイトが着いた状態でサウンドを作っています。チューニングもしやすいですし、使いやすくもなりますからね。もっと暴れさせたい人はあえて外してもらっても構わないと思います」

ヴィンテージ・スネア・ドラムのサウンドを再現するだけに留まらず、さらに進化と深化を見せるネオ・ヴィンテージ・シリーズ。その開発の裏側をちょっとだけご紹介しました。往年のR&B、ソウル・サウンドが現代に蘇ったNV60-M5、ぜひ一度お試しください!

NV60-M5スネアドラム 製品詳細はこちら