合板にはない優れたサウンド
単板くりぬき胴スネアは、芯の太い、インパクトのあるサウンドが特徴で、ヌケが良く、立ち上がりが際立って速いスネアです。また、合板スネアでは考えられないほどの幅広いチューニングレンジを誇ります。それらが、ゼルコバスネアドラムが世界のトップドラマーに支持される大きな要因と言えるでしょう。
カノウプスの基本ポリシーとなったゼルコバスネアドラムの開発
カノウプスのフラッグシップモデルであるくりぬき胴のゼルコバスネアドラムは、当社が初めて手がけたオリジナルドラムで、今なお世界中のドラマーに支持されている製品です。
その開発にあたり、我々は当初、内角・外角ともに伝統的な45度のエッジ加工を施してみました。しかしそのサウンドは、いわゆる単板胴からイメージされる音とは程遠く、胴鳴りのしない、非常に反応の悪いものでした。そこで当社は、独自に70度、60度、30度など様々なエッジシェイプを施し改良を重ねました。その中で、最大の胴鳴りと繊細さ、音の太さを併せ持ち、かつ他に類を見ない立ち上がりを実現する、全く新しいタイプのエッジシェイプを完成させたのです。このエッジシェイプは、今までの理論を根底から覆す、非常に鋭い形状のものでした。【下図参照】ゼルコバスネアドラムの開発で我々が学んだことは、シェルの能力を最大に引き出すためのエッジシェイプは、胴の材質や厚さ、単板か合板かという様々な要素によって決定付けられるものであり、伝統的なエッジシェイプは普遍的なものではなかったということだったのです。
ここから学んだ多くの事柄は、その後のカノウプスの根本的なポリシーの源となり、ドラムおよびアクセサリーの開発に着手する際に、現在常識として受け止められているドラム製作の理論を根底から疑ってみるという姿勢を決定付けました。
「単板くりぬき胴」の割れやすさを克服
単板くりぬきドラムにとって、円筒形というドラムシェルの形状は、非常に割れやすいという宿命を持っています。そこで当社では、完全なくりぬき単板胴のスネアドラムを完成させるために、新しい工法を採用しました。その解答は力のベクトルにあります。湾曲した面に対し、垂直方向から与えられた力Fn(ニュートン)は平面状において図1のようにf1、f2、f3に分かれ、f1とf2は直線上に逃げますが、f3は湾曲を破壊する力となります。一方、当社の考案したスネアドラムシェルは球面体をしており、図2のように垂直方向からの力を無数の曲線状に分散させるため、湾曲面よりはるかに強く、壊れにくい結果を生み出しました。また、シーズニングに5年をかけ、シェルの含水量を9%まで持ってゆくため、胴の収縮や割れを最小限に抑えることに成功しました。
世界的に希少な「単板くりぬき胴」
例えば合板の切れ端と、拍子木のような単板の切れ端を叩いてみれば、拍子木の方が響きの良いことは誰にでもわかることです。すなわち、振動する物体は単一の要素で構成されていること、これが自然の響きを引き出すためには重要なのです。ではなぜ、現在製作されているドラムは、ほとんどが合板でできているのでしょうか?それは、単板くりぬき胴のドラムが、その構造上非常に壊れやすいという欠点を持っているからなのです。合板は複数の木を多量の接着剤によって張り合わせることで、単板より数倍の強度を持ち合わせることができます。しかしその反面、自然の響きは必然的に犠牲となってしまいます。世界中のドラムメーカーは、この単一要素と強度という相反する命題を一致させるために、様々なアプローチを試みました。例えばより単板に近いブロック工法や、スリンガーランドのラジオキングスネアに代表されるようにメイプル単板を曲げてシェルを作り、内側にレインフォースメントを施して強度を保つという方法等です。木本来の鳴りを引き出すという点で、単板くりぬき胴は理想的なのですが、経年変化により変形や割れ等が製作上の問題となり、量産しているメーカーは世界でもほんの数社しかありません。
ゼルコバスネアドラムのエアホールについて
ゼルコバスネアドラムにはエアーベント金具を付けていません。ゼルコバスネアドラムは「くりぬき胴」という特殊な構造になっています。自然の素材であるゼルコバは常に呼吸し、温度や湿度によっては収縮して、自ら最も良い状態を保とうとします。これらの活動を妨げると、シェル自体に余分な圧力がかかり、様々な弊害が生じる可能性があります。エアーベント金具ひとつであっても、シェルにかかるストレスを軽減したいと考え、あえて金具を付けていないのです。貫通穴部にはオイルフィニッシュのみを施してありますので、ゼルコバスネアの断面を確認していただくことも可能です。
回転式高さ調整ラグを装備
発売以来絶大な支持を頂いているカノウプスのフラッグシップモデル、ゼルコバスネアドラムに、ラグの高低が可変なチューブラグが標準装備となりました。ゼルコバスネアドラムは、樹齢200年前後の欅をくり抜いて作り出す、完全くり抜き単板胴のスネアです。3年に及ぶ自然乾燥期間を経、且つ、特殊乾燥機により出荷時には含水量を9%に調整しますが、木胴は外部の湿度に影響され常に収縮膨張しています。湿度が高ければ胴の直径は長くなり、低ければ短くなります。 一般的なラグにはテンションボルトを受ける「へそ」(swivel)が付いている構造なので、胴の収縮膨張があっても問題ないのですが、カノウプスチューブラグはドラムの振動循環効率を高めるソリッド構造の為、その「へそ」がついていません。そのため、胴の収縮膨張が起きた場合、テンションボルトをつける際に障害が起きる場合があります。
これらの問題を解決する為に新たに考案されたラグがこの回転式高さ調整可能ラグです。ラグのセンターポールを回転させることにより、高さをプラスマイナス2mmの幅間で任意の高さに調整する事ができる仕様になっています。
ヴィンテージ・スネア・ワイヤー [CPSL-ZL14NP]スネア・ドラムのポテンシャルを引き出し、ピアニッシモの繊細な表現を可能にするスネア・ワイヤー。
詳細
ボルト・タイト
ボルトの動きを滑らかにして、緩みを解消、さらに嫌な倍音をカットしサウンドも太くなる革製ワッシャー「ボルト・タイト」
詳細
ダイキャスト・フープ
輪郭のはっきりした、指向性の強いサウンド。亜鉛成分や形状、厚さにこだわり、綺麗な響きを作り出しました。
完全くり抜き単板胴(ケヤキ)14mm最大の胴鳴りと繊細さ、音の太さを併せ持ち、かつ他に類を見ない立ち上がりを実現する、全く新しいタイプのエッジシェイプを完成。
ストレイナースイッチCSA20Sにはナイロンナットが組み込まれており、テンション調整ダイヤルにほど良い抵抗を与え、演奏中の「スネアワイヤーの緩み」を防止します。
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Stevie Wonder × CANOPUS YAIBA II Groove Kit / Zelkova Snare Drum
Stevie Wonder(スティーヴィー・ワンダー)
NAMM Show 2016で、Stevie Wonder(スティーヴィー・ワンダー)氏が弊社カノウプスのブースを訪れるという、とても嬉しく光栄な出来事がありました。NAMMの開催前にリクエストがあり、彼にゼルコバスネアドラムをお送りさせて頂くという機会に恵まれていたのですが、そのスネアドラムを非常に気に入って頂き、他の製品も試奏するためにCANOPUSのブースを訪れてくださいました。
彼はお気に入りであるゼルコバスネアと共に刃II Groove Kitを試奏し、そのサウンドも高く評価して頂き1セット所有する事を決めてくださいました。彼の様な偉大なミュージシャンがCANOPUS刃セットとゼルコバスネアドラムのユーザーであるということを、私達はとても光栄かつ誇りに思います。
2016年2月12日 NEWS
使用ドラマー/コメント
岩井大輔
鋭いベアリングエッジによりチューニングレンジが広く、細かいタッチも素早く反応します。
シャープな音色ですが、その中にもふくよかさがあります。
色々なジャンルで大活躍なオンリーワンスネアです!
Andrea Valentini
GREAT RESPONSE, FAT YET VERY SENSITIVE AT THE SAME TIME.
すばらしい反応、芯がある太い音だが同時に繊細さも持ち合わせています。
René Marx
the zelkova is simply stunning! I have a Slingerland 14x6 Radioking SD which is very smooth, sensitive and delicate. The Zelkova has all the attributes of sought-after vintagedrums too but it´s also more powerfulI. And on top it inherits this special japanese tradition of the taiko-drumconstruction. That makes it a very unique instrument. It makes me play more stuff on the snaredrum in any kind of groove or solosituation because it sounds so beautiful.
Zelkovaスネアドラムは、率直に言って衝撃的です!Slingerlandのとてもスムーズ、繊細でデリケートな14x6のRadiokingのスネアドラムを持っています。Zelkovaスネアドラムはビンテージドラムの特性も兼ね揃えていますし、より力強いです。そしてなんと言っても、日本の伝統的な太鼓の技術を受け継いでいます。この事実がZalkovaスネアドラムを特別な楽器としています。音が本当にすばらしいので、ソロの場面やいかなるグルーブを刻んでいる時に、もっとスネアドラムでの演奏をしたくなってしまいます。
Rainer Güntensperger (GÜNTENSPERGER)
I have had many of the very best snare drums in the world going through my hands, but your Zelkova is the by far best of them all. A absolute unique blend of sound consisting both, wooden warmth in the deep and the bite of steel in the high. Great and unmatched!
今まで、世界で最上級といわれるスネアドラムを演奏してきましたが、このZelkovaスネアはそれらどんなスネアドラムよりも断然すばらしいです。
木の暖かみがある深い音、そしてスチールを思わせる広域の音という、非常にユニークな音で構成されています。本当にすばらしく、他に比べる物がありません!
Tupac Mantilla
As someone that has emerged from the classical school into the contemporary Jazz, Rock and World percussion/music scene, and after searching for decades, I can say without a doubt that the Canopus Zelkova is the most responsive and versatile snare drum of them all. Its body, warmth and clarity surpass any expectation in any musical context and genre. Moreover, it has a fascinating way to blend to your own voice while enhancing it. It’s pretty much alive! Thanks Canopus for creating it!
私の様に、クラシックスクールから、現代音楽、ジャズ、ロック、ワールドパーカッションなどのミュージックシーンに進み、長年探し求めてきた様な人に、このゼルコバスネアは一番反応が良く、どのような音楽にも合うので最高な1台です。ボディーの温かみもあるし、どのような音楽のジャンルや内容にも向いています。それに加え、自分の音色と融合させる事ができます。まさに生きているようです!カノウプス、このようなスネアを作り出してくれて本当にありがとう!
Antonio Loureiro
You can't compare Zelkova with anything! Its a complete snare. Completely versatile. I love when you have that beautiful snare wire sound even when you play pianissimo. Its the best snare i will ever have.
ゼルコバスネアと他を比べる事なんで出来ません!まさに、完全なスネアで、どんな音楽にも使えます。ピアニシモの音量で叩いても聞こえてくるスネアワイヤーの音が大好きです。今後演奏をするスネアの中で一番になる事でしょう。
升秀夫(BUMP OF CHICKEN)
初めて叩かせてもらった瞬間に「すごい!」と思いましたね。 エッジがすごく立っているのに、耳に痛くない音。 ハイも出てるし太いところも出ている。 レコーディングでは、ギターを何本も重ねた後でも、最初にドラムとベースを録ったときにイメージした通りの音域がしっかり残ってくれる「強さ」がありますね。 いろんなスネアを試して、どれも違うと思ったときにゼルコバを使ってみて「ああ、これだ!」ってなることも多く、すごく信頼感が持てるスネアです。今はライブで6.5"をメインに使っています。 音の太さというか、パワー、存在感がすごいんです。大きめの会場で演奏するときには特に、生音の強さを直接自分の耳で感じながら叩きたいので、ここ一番というときはゼルコバじゃないとダメですね。 それまで聴いたことがなかったけど「こういう音が欲しい」って自分の頭の中だけでイメージしていたタイコの音が実際に出てきた......僕にとってゼルコバスネアはそんな楽器なんです。
木内泰史(サンボマスター)
ファーストアルバムのときに初めてカノウプスのドラムセット(RFM)を使わせてもらって、すごく気に入ったというのがまず最初。そこからゼルコバスネアにも興味を持って、叩かせてもらったら「面白い! 欲しい!」という感じにすぐなりました。 それまで木胴の6.5"を持ってなくていろいろ試していたんですけど、そのどれとも違う独特な音で、手元で鳴ってる感覚がすごく良かった。 ペッ、ペッとすぐ終わっちゃう音じゃなくて、音が伸びたときに最後まで残る響きがすごく綺麗。 僕らはスリーピースバンドなので、ヘッドを張り過ぎると音に隙間ができちゃうから、割と低めのチューニングで叩くことが多いんですけど、それでもしっかり張りのある音が出てくれますね。 高価なスネアなので大事に使っていきたいから、よくカノウプスにメンテナンスもお願いしてるんですけど、いつも完璧な状態で戻ってくる。 そういうサポート面でもすごくお世話になっていますね。
河村"カースケ"智康(the bond)
もともと僕は木胴のスネアが苦手で、それは自分のチューニングやショットのクセとか好みによるものなんですけど、このゼルコバだけは例外。4〜5年くらい前、当時やっていた音量のデカいバンドでスネアの音が埋もれがちになっていて、何かないかなと探していたときに、そう言えばゼルコバがあるじゃないかと思って叩かせてもらって、 やっぱり単板というのはすごいなと思いました。音の立ち具合とか音量感、音質がすごく良い。 海外のドラマーに高く評価されているのもうなずけるような派手さがある一方で、音量だアタックだっていうだけじゃなく、木胴の温かさがある。 下世話な音じゃなくて、しっとりとした上品さもあって、スティックコントロールでどうにでもなるというか、オールマイティに幅広く使えるスネアだと思いますね。チューニングレンジも広いし。 そういう意味でもワールドワイドなスネアだと思います。くりぬき胴という作りも贅沢で、世界に誇れるスネアですよね。
Ian Froman(METAL WOOD)
I like the Zelkova snare drum because it is warm, dark and sensitive. A truly exceptional drum !
私は、Zelkovaスネアドラムが、暖かみがあり、神秘的で繊細だから気に入っています。本当に類まれなドラムです!
Brian Blade
The ZELKOVA snare drum has a beautiful tone and a clear responsiveness that speaks in all dynamic ranges. It is the perfect instrument for any musical situation.
Zelkovaスネアドラムは、とても美しいトーンで、クリアーな共鳴で全てのダイナミックレンジに対応します。どんな音楽のシチュエーションでも完璧な楽器です。